日々どんどん便利になっているのに少しも楽にならないSEという仕事
月400時間超働いてた某社唯一のインフラエンジニアが語った一言です。
その人の場合はIDCのサーバから社内のPCまで全部一人で見ないといけなかったので極端な例ではありますが、「便利」には確かになっていますが、「楽」にはなっていないですよね。
昔は、
・設計書は紙に手書き
・コンパイルは1日1回だからコンパイルエラーなんて出したら土下座もの
だったという話を古いSEからよく聞きますが(私はそこまでの老兵ではないです)、今や、
・仕様何も決まってないけど、とりあえずいい感じで作り始めといて
・設計書なんて存在しない。ソースが設計書。
というツールが便利になったら人がダメになったという顛末を迎えています。
ワープロが誕生した時から「いつでも作り直せるからミスが増えた」という話がよくあったそうです。ミスできないっていう緊張感大事ですね。
私も某大手SIerの大規模PJにいた頃は、仕様が決まらないけどスケジュールの期限だけが迫って来た結果、
後で絶対に見返さない無意味な設計書をExcel方眼紙で作る
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タイトルが変わるだけでほぼ中身は同じだったためそのうち設計書自動生成マクロを組みだすやつも現れる
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ウォータフローなのに何も決まらないままプログラミング工程に入り結局アジャイルみたいになる
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テスト工程なのにどんどん仕様変更で作り直しになるものだから、バグ発生数が一向に収束せず、最終的にバグ発生数が完全に捏造になる
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「~というバグが発生したため、全ての機能を再チェックしました」とかいう嘘の対策報告が横行
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PJ大炎上で大赤字でクソシステム完成
という経験を何度もしています。
大手SIerだと、どんなクソシステムでも期限までに最低限動くものが作れていれば良い、みたいなところありますからね。実際は「最低限動く」すら怪しかったりするんですが。
結論
10日かかっていた仕事が1日でできるようになったら仕事が10倍になるだけで人の仕事量は変わらない。むしろ、人の仕事量は11倍くらいになっているかも。
あと全国のPMの皆さまSEの稼働管理はしっかりやりましょう。「裁量労働制だから残業代発生しないからいくら働かせても同じだし~♪」とお思いの方もやりましょう。
お金じゃなくて人間のこなせる仕事量には限界があります。睡眠とストレス緩和の時間は人類にとってマストです。
SEのフシギな生態 [ きたみりゅうじ ] |